玄関アプローチをスロープにしました。
最近、お施主様から「玄関ドアの敷居とポーチのタイル面との段差をあまり取りたくない。」といったことや、「玄関ホールの上がり框とタイル面との段差をなるべく低くしたい。」という要望が多くなってきています。こういったことから以前よりも地盤面から玄関ポーチに上がる段差が高くなる傾向にあります。また、当社では特別の場合以外は玄関ホールのタイル面の高さが土台にかからないところで抑えるようにしているため、玄関ホールのタイル面から上がり框までの高さを20〜25cm前後で施工しています。
今回、玄関ポーチまでのアプローチをスロープにしたのは、通常の場合のポーチまでの高さがあることに加え敷地と道路面との高低差があったこと、お年よりにやさしいこと、将来的に車椅子を使うようになった場合といった理由からです。
K邸のスロープでは、お年寄りにやさしいこと、自転車置き場が玄関ポーチの奥にあるため自転車を楽に運べることを考慮しました。このお施主様の家の場合、玄関ホールのタイル面から上がり框まで高さが通常の高さでしたので、建物の構造には問題なく施工することができました。スロープ面の材料を選択するに当たっては以下の2点について考慮しました。
一つ目は敷地への入口が人と車兼用でしたので人・車兼用で使用できる3枚折れ戸を採用しました(写真1)。その際、人が車庫からのアプローチになりますので道路・車庫・スロープとの関係で高低差とねじれを生じます。そこである程度のねじれや勾配にも対応できるインターロッキングを車庫とスロープに使用することにしました。
2つ目としてインターロッキングの選択についてはスロープを重視し、雨の日にスロープ面が濡れても滑りにくいように雨水の浸透性が高いタイプのものを採用しました(写真2、3)。
O邸のスロープでは、車椅子対応ということ、玄関ホールのタイル面と上がり框との段差をできる限りなくしたいという要望でしたので建物の構造については以下の2点について考慮しました。
一つ目は、玄関ホールのタイル面を室内の床面との段差をなくすための工夫です。玄関土間コンクリートを土台よりも高くすると、土台部分が玄関土間コンクリートに埋まってしまい、それと共に、アウターサーキット(外側の通気層)が玄関ポーチの土間コンクリートに埋まってしまいます。それを解消するため玄関ホールとスロープに関わる部分の基礎高をその他の部分の基礎高よりも高くすることによって土台とアウターサーキットが埋まらないように施工しました(写真4)。
2つ目はスロープに沿って雨よけの庇のような屋根を作りました。屋根の出が3尺程度ありましたので強度面から建物からはね出しの梁を等間隔に持ち出しその梁で屋根をもたせるようにし、屋根先端に雨樋をつけて雨対策をしました(写真4、5)。
一方、玄関ホール周りとスロープの材料の選択については以下の3点について考慮しました。
1つ目はスロープの材料として滑りにくいスロープ用タイルを使用したこと(写真5)と、玄関ホールのタイル部分と室内床との見切り材に木材ではなく人口大理石を使用しました(写真6)。
2つ目は玄関ホールの室内床部分には車椅子使用時に掃除しやすく丈夫な重歩行用積層フロアシートを使用しました(写真6、7)。
3つ目は玄関入口にドアではなく片引き戸を使用したことです(写真7)。当時の打ち合わせでは断熱気密性能の問題点から引き違い戸を取り付ける方向で検討していましたが、メーターモジュール対応のものでないと有効開口寸法が狭く玄関の間口寸法に余裕がないと取り付けることができず、引き違い戸をつけるためには間取りを変更しなければならないこと、思うようなデザイン(和風のものが比較的多い)が選べないことという問題がありました。そんな時、お施主様の要望にぴったりの断熱気密仕様の引き戸が発売されたのです。この商品のおかげで間取りを変更することもなくお施主様の要望に応えることができました。施工については玄関ドアよりも多少面倒な点がありましたが、今後の玄関入口に関する選択肢を広げることができました。
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写真4 外観
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写真5 スロープ |
写真6 玄関ホール |
写真7 玄関ホールから見た入口 |
今後も様々な条件でのスロープ工事が出てくると思われますので、その条件に合ったスロープをお施主様といっしょに考えながら施工していきたいと思います。
レポート:加藤
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